経済
概要
ソヴィエト時代は重工業が栄え、鋼鉄やグラスを多く産出し、お茶、ワイン、フルーツなどの農業物も多く輸出していた。また、観光地としても発展し、ソヴィエト国内から多くの人々が、黒海やコーカサスの山を訪れ観光業も盛んだった。
しかし、ソヴィエト崩壊後は、内戦が起こり、工場は崩壊しインフレも起こり経済が不安定になった。
最近は海外からの投資やカスピ海から伸びるエネルギーパイプライン、内戦停止による治安回復のおかげで景気が徐々に上向きになっている。また、トヨタの統括代理店がトビリシに開設され、日本企業のグルジア進出も見られる。
しかし、2008年8月、ロシアとの武力衝突が、グルジア経済のほとんどの部門に深刻な影響を及ぼしたことに加えて、その後の世界的な景気後退も拍車をかけ、近年は経済成長が乏しくなっている。
主要輸出品目 |
くず鉄、ワイン、ミネラルウォーター、自動車、鉱石、果物、ナッツ(2009年:CIA THE WORLD FACTBOOK) |
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主要輸出相手国 |
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主要輸入品目 |
燃料、自動車、機械及び部品、穀物、食料品、医薬(2009年:CIA
THE WORLD FACTBOOK) |
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主要輸入相手国 |
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日本からの主な輸出品目 |
電気製品 |
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日本からの主な輸入品目 |
化学製品、機械機器 |
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GDP規模 |
129億ドル(2008年:IMF) |
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国民一人あたりGDP |
2925.1ドル(2008年:IMF) |
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経済成長率 |
2.0%(2008年:IMF ) |
エネルギーパイプライン事業
以前コーカサス地域では内戦が勃発していた。そのため、治安が不安定なコーカサスを通るルートではなくロシア経由のパイプラインが活躍していた。しかし、最近では、ロシアがエネルギーを独占する傾向があり、その事態を抑止したいアメリカ、東欧がコーカサスを支援し、コーカサス地域経由のパイプラインが開通し始めている。
BTCパイプライン Baku Tbilisi Ceyhan Pipe Line
バクー周辺で産出された原油を地中海まで輸送するパイプライン
通行ルート 全長 輸送能力 総工費 沿革 |
バクーBaku(アゼルバイジャン)→ トビリシ → ジェイハンCeyhan(トルコ) → 地中海 1,768km 日量100万バレル 約4300億円
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南コーカサス・ガスパイプライン SCP(South Caucasian Pipe Line)
カスピ海で生産された天然ガスをエルズルムまで輸送するパイプライン。
通行ルート 全長 輸送能力 総工費 沿革 |
バクー → トビリシ → エルズルムEruzurum(トルコ) 1,050km 日量100万バレル 約4300億円
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西ルートパイプライン(AIOC)
通行ルート 全長 沿革 |
バクー → スプサSupsa(グルジア) → 黒海 |
その他の事業
鉄道建設
2007年2月にグルジア、アゼルバイジャン、トルコが鉄道建設プロジェクトの共同宣言に署名。2010年に完成予定。総工費は約6億ドル予定。
鉄道ルート |
バクーBaku→トビリシTbilisi→アハルカラルキAkhalkalaki→カルスKars(トルコ) |
グルジアが参加している経済協定(機構)
CIS自由貿易地域創設協定
1994年設立。
参加国 グルジア、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドヴァ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、アルメニア
GUAM 民主主義と経済発展の機構
1997年設立。経済・通商分野での協力強化、民主主義の発展、NATO、 EUROへの統合を目的とする。1999年にウズベキスタンは加盟したが、2005年4月に脱退。
参加国 グルジア、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドヴァ
BSEC(Black Sea Economics Cooperation) 黒海経済協力
1992年設立し、1998年に正式な経済機構となる。黒海沿岸諸国の経済発展を目指す経済機構。常設事務局は、トルコのイスタンブールにある。
参加国 グルジア、トルコ、ロシア、ウクライナ、アルメニア、ルーマニア、ブルガリア、アゼルバイジャン、モルドヴァ、アルバニア、ギリシャ、セルビア・モンテネグロ