グルジア料理
グルジア料理について
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『トネ』 パンを焼く釜 | 『ハバジ』 トネでパンを焼くパン職人 |
四季のあるグルジアでは、あらゆる野菜や果物、木の実などの農作物が豊富で、それらの食材は肉、魚、チーズ等と一緒に調理されることが一般的である。その食べ方や調理方法が長寿の秘訣とも言われている。味付けは香辛料を多く使用し、独特な色、香りも出している。
西グルジアと東グルジアの食の違い
様々な民族の侵入・支配が繰り返された歴史をもつグルジアは、食文化にもその影響を強く受けている。例えば、西グルジアはトルコ料理、東グルジアはイラン料理の影響が強く、またモンゴル帝国支配下時代やソヴィエト時代に伝わったと思われる料理も存在している。
西グルジア料理 | 東グルジア料理 |
トルコ料理の影響 | イラン料理の影響 |
とうもろこし粉のパン(チャディ)が一般的 | 小麦粉のパンが一般的 |
鳥、七面鳥の肉を好む | 牛肉、羊肉を好む |
薄味のチーズを好む | 塩味のチーズを好む |
グルジアでの食事
スプラ Supra グルジアでは、お祝いのときや客人を持てなすときに「スプラ」と呼ばれる宴会を開く。スプラには、「タマダTamada」と呼ばれる乾杯の音頭・進行役がおり、タマダによって幾度の乾杯、スピーチが続き、歌や踊りも楽しまれる。客人は、テーブルいっぱいの多様な食事と自家製グルジアワインで歓待される。 |
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タマダ Tamada タマダはスプラや食事でとても重要な役であり、大きな宴会のタマダとして任命されることは名誉とされる。タマダは感動的な乾杯やスピーチを披露することにより、客人たちにタマダとしての技能があるかどうか試されることになる。この習慣がグルジア人の演説の巧みさを生んだとも言える。通常、最初の乾杯は友情のために、そして祖国、喜び、平和、愛、家族、健康、亡くなった人などのためにと乾杯は続く。男性は乾杯のワインを全て飲むのが普通。 |
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カンツィ kantsi ワインを飲むためのグラスとして使用されるヤギの角。角の中にワインを注ぐと、全部飲むまでテーブルの上に置けないことから、カンツィでワインを飲むときは飲み干さなければならない。 |
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長寿の食事
グルジアは長寿の国としても知られており、長寿の秘訣の一つとされるヨーグルト「マツォニ」は日本では健康食品のカスピ海ヨーグルトして知られている。
また、グルジア料理の独特の調理法が長寿の秘訣とも言われている。例えば、「ハシュラマ」という料理では肉を鍋で長時間煮込むため、余分な脂肪を取りすぎないでよい食事となっている。
そして、味付けには栄養素の高いプルーンで作られたソースや多種の香辛料を使用するため、塩分を取りすぎになることもない。
気候的に恵まれている土地柄、野菜・果物不足に困ることがなく、常にバランスの良い食事が取れることが長寿につながっている理由と考えられている。
その他
- 正月には七面鳥が豊かさの象徴として食べられる。
- 魚介類より肉類のほうが一般的には良く食べられているが、西グルジアでは黒海で取れるボラなども食べられている。
- 西グルジアのタルツボ付近がプレーン(スモモ類)の発祥の地と言われている。
- 一般的に食事をとる時間は、朝食は8-9:00、昼食は15-17:00、夜食は20-21:00。
- グルジアでは昼食が一日のメインの食事で、スープ、サラダ、温かいメイン、デザートを食べる。(日本の晩御飯が昼食にあたる。)
- 夜食は寝る前に、パンにバターやジャムをつけて紅茶と一緒に食べる程度。ただし、スプラはこの時間帯にスタートするのが通常。
- グルジアでは自給自足の生活をし、日の出と共に起き、日没と共に一日を終える人たちも多く(特に冬の季節)、また金銭的理由から一日2回の食事の人たちもいる。
- 会社勤めの人は通常13:00頃に昼食、18-19:00頃に晩御飯を食べる。
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